ワシントンDCにある大学の開発プログラム

多くの点において、ワシントンDCは国際開発界の中心である。世界銀行、米州開発銀行、米国国際開発庁及び多国間や二国間機関がその都市に本拠地を構える。無数の開発機関、コンサルティング会社、弁護や人権団体、また最も卓越した頭脳集団が世界中の開発実践者を惹きつけ、その分野で学位を取得するために精力的な場所としている。 またその都市は、最も優れた国際開発に関する大学プログラムのいくつかを有している。それを示す１つの証拠は、バージニア州ウィリアムズバーグにあるウィリアム・アンド・メアリー大学によって２００７年２月に発表された国際関係の教職員を対象とした調査である。ジョージタウン大学の国際関係学修士課程が政策関係の職を求める人にとって最高ランクを獲得し、ジョンズホプキンス大学がそれに続いた。ジョージワシントン大学は７位になり、アメリカン大学が続いた。インターンシップや特別研究員を通して高度の学究的知識や実地経験を養いたい大学院進学予定者にとって、学生が積極的に参加できる多くの機会を提供する場所は世界にも少ない。 開発の定義が広く多面的であるように、異なる学究的プログラムが取るアプローチ方法も広く多面的である。しかし、全てのプログラムは共通点を持つ。それは、学生にネットワーキング、インターンシップ、特別研究員の地位、及び最も優れており最も大規模な開発団体の中で不変の地位を獲得する多大な機会を提供することである。 しかし、学究的卓越と就職の展望は費用が掛かる-我々は金銭的費用のことのみを言っているのではない。これらの大学から合格通知を受け取るのはそれほど簡単ではない。だからどのプログラムが最もあなたの関心と合致するか決めた後は、際立った応募書類を送ることと奨学金を獲得することに集中すべきである。 各大学は少しずつ異なる手続きと締め切りを持っているが、一般的に同じ資料の提出を求める。あなたの成績証明書、GREテストスコア、２～３通の推薦書、志望理由書、そして履歴書が挙げられる。多くの開発関連プログラムでは、経済学や公共政策の学科に属していなくても、志願者は学部レベルのミクロ及びマクロ経済学の授業を履修していることが求められる。しかしこれらの授業を大学院が始まる前の夏に取ることも出来る。 付け加えると、大抵の学校は第二ヶ国語を話し、国際的な職歴や学歴を持ち、国際公益事業に従事する意思を表わしている志願者を好む。しかし、これらはただのガイドラインである。一般的に、志願者は学問的及び専門的背景において非常に多岐に渡っている。更に、留学生が占める割合も多い。これらのプログラムに属する３０～４０％の大学院生は外国人である。 １年間で修士号を取得できるヨーロッパの国々と異なり、アメリカのプログラムは一般的に修了まで２年間掛かる。しかし、この地域における全ての大学は、キャリア半ばで相当の職務経験-大抵は５年以上-がある専門家に対しては１年間のプログラムを提供している。 金銭的な懸念はプログラムを選ぶ上で決定的な要素になりうる。これらの内のいくつかの学校に通うことは平均的な進学予定者にとってひどく高額になりうる。費用は少々異なり、生活費、書籍費、保険費や雑費を足すととてつもなく高くなる。例えばアメリカン大学はフルタイムで２年間の修士号としては非常に低い学費である４８，０００ドル-又は１年に２４，０００ドル-である。ジョンズホプキンス大学の高等国際学大学院（SAIS）は文学修士号で１年に約３１，０００ドル、ジョージタウン大学の理学修士号は１学期ごとにほぼ３７，０００ドル掛かる。 支払う費用は複数の方法であなたに返ってくるだろう。学校は無償のインターンシップをしている学生に対して特別奨学金を与えるだろうし、いくつかの学校ではその大学の学生のみが応募できるインターンシップを確保している。例えばSAISでは、国際開発プログラムの学生は基本的に追加費用無しで海外においてフィールドワークをする機会が与えられる。 いくつかの奨学金は特別奨学金や譲与奨学金が学費を支払うために得られるとしても、ほとんどの場合それは大学院に通うための総費用の一部にしかならないだろう。多くの学校は財政難に陥っており、学生に提供できる奨学金を制限しなければならない。これら全ての大学は入学予定者に外部団体の奨学金を探すことを勧め、一般的に可能性のある団体のリストを提供する。学生は入学者選抜に応募すると同時に奨学金にも応募すべきである。なぜならいくつかの奨学金提供組織は入学の数ヶ月前に応募することを求めるからである。 アメリカ国民と永住資格保持者は、連邦政府による学生補助金への無料申請を記入し、貸与やその他の形式の補助金プログラムに考慮されるようにすべきである。 留学生はアメリカ合衆国から奨学金を得ることが一層困難かもしれないので、出身国の政府や民営団体等の資金提供先を探すことを勧める。 しかし比較的高額な生活費及び学費にも関わらず、ワシントンは大学院生に職業的、文化的及び社交的に刺激的なライフスタイルを提供する。あなたの経済学教授はそのようなものは存在しないと言ったかもしれないが、この街では無償の昼食にありつける。街中に散在する組織体や調査機関が出資する、有り余るほどの会議や発表会では、ただで朝食、昼食や酒類を得る多くの機会がある。 文化的イベント、最高級の博物館や興行がそこら中にあり、多くのものは無償である。しかし恐らく若い専門家たちの間で最も人気があるのは、安くて簡便な夕食代わりになるハッピーアワー特別メニューである。勉強とインターンシップの合間に時間を見つけられる者にとっては、ワシントンのナイトライフは夜中の１～２時頃まで続く。 しかし、いかに全ての食事をただで食べるかをたくらむ前に、まずはどういうタイプの学究的プログラムで学びたいのか、そしてそのプラグラムが提供するものがいかにあなたの職業的及び学究的目標と合致するのかを決めるべきである。プログラムのウェブサイトに目を通すことは、時間も掛かるし疲れる作業かもしれないが、あなたが何を望んでいて、あなたにはどんなオプションが提供されているのか-そしてそれらは非常にたくさんある-を明確にするための第一歩である。 いくつかのプログラムは他のものよりも要求が少ないため、全教科過程や学位取得条件を確認することは、そのプログラムの厳しさを測る良い方法だ。あなたの学生生活や財布に影響を与えるものとして、必須単位の授業時間に注目することを忘れないようにすることだ。いくつかのプログラム、例えばアメリカン大学の自然資源と持続的開発の２学位取得プログラムは、１学期または１年間を海外で過ごすこととなっている。 全ての学校は学生にインターンシップを勧め、適したインターンシップを探すためにアドバイスサービスとデータベースを提供する。そしてほとんどの学校では、複合の学位を得る機会を提供し、あなたが３年かそれ以上の期間で、国際開発と共に、法律、ビジネスや環境科学等の関心分野と合わせて勉強できるようにしている。 多くのオプションがあるにも関わらず、ワシントンは独特の性質を持つ環境にあり、そこにある大学院に通っていて間違いはない。選択過程を少し簡単にするため、ワシントンDCにあるトップ校の、最も開発に関連したプログラムと、その２００７年度の費用を一覧にしておく。 アメリカン大学の国際関係大学院（School of International Service）（１学期７５０ドルの学費プラス１単位ごとに１，０４８ドル） 国際関係の文学修士、専攻： 比較地域学、国際経済関係、国際政治、米国外交政策 国際コミュニケーションの文学修士 国際メディアの文学修士 国際開発の文学修士 開発管理の理学修士（２年間の就業経験を有する学生） 国際平和と紛争解決の文学修士 倫理、平和と世界問題の文学修士 世界環境政治の文学修士 複合学位：自然資源と持続的開発（コスタリカにある国連平和大学と共同） 法学博士／国際関係の文学修士、専攻：人権と国際開発（アメリカン大学のワシントン法学校と共同） 経済の文学修士、コース：開発経済学（１学期３８０ドルの学費） 国際訓練と教育の文学修士（１学期３８０ドルの学費） ジョージタウン大学のエドマンド A. ウォルシュ外交大学院（Edmund A. Walsh School of Foreign Service）（１学期２９６ドルの学費プラス１単位１，３９２ドル） 外交の理学修士、専攻：国際開発、外交政策と国際保安、国際紛争解決管理、世界商業と金融、国際ビジネス-政府関係、自己設計の地域・比較学 アラブ学の文学修士、専攻：開発 ジョージタウン大学の公共政策研究所（Public Policy Institute） 公共政策学修士、コース：国際政策と開発 公共政策学修士／外務の理学修士の複合学位 公共政策学修士／国際機関の経営学修士の複合学位（ジュネーヴ大学との提携） ジョージワシントン大学 エリオット国際関係大学院（Elliot School of International Affairs）（１学期９００ドルの学費プラス１単位１，０１３ドル） アジア学の文学修士、いくつかの開発関連専攻から選択可 ヨーロッパとユーラシア学の文学修士、いくつかの開発関連専攻から選択可 国際関係プログラムの文学修士、主分野：国際問題と開発 国際科学技術政策の文学修士、選択分野：国際開発 国際貿易投資政策の文学修士、専攻：開発経済学 ラテンアメリカと半球体学の文学修士、主分野：国際衛生と開発 中近東学の文学修士、専攻：国際問題と開発 保安政策学の文学修士、専攻：保安と開発 国際政策と実務の文学修士（キャリア半ばの専門家向け、１年間プログラム） ジョンズホプキンス大学の高等国際問題研究大学院（School of Advanced International Studies）（1年当たり固定学費３２，０００ドル） 国際関係学の文学修士。全ての文学修士課程の学生は、国際経済プログラム専攻に加え、地域又は機能のどちらかの分野より、もう１つ他の専攻を履修しなければならない。国際経済プログラムにおいて、専門は国際金融、開発と移行経済、そして量的手法と経済理論である。 機能専攻は国際開発、紛争管理、国際法等を含む。地域専攻は中国からアフリカまで、世界中ほぼ全ての地域を含む。複合学位についての情報はここをクリックしなさい。 国際公共政策修士は、キャリア半ばで、最低９年の職歴がある人向けである。この履修課程は学際的で、各学生の必要に応じて設定される。