国際協力分野において世界的に活躍するために不可欠なものとして、特定の分野における専門性や途上国を中心とした業務経験、語学能力、修士号などの諸条件が挙げられますが、これに加えて更に重要なのが、ネットワークを構築する能力であると考えています。最初に上げた諸条件については、日本の方は着実に積み重ねられている方々が多々いらっしゃいますので、改めて繰り返す必要は無いのですが、ネットワーキングについてはあまりその内容や重要性について触れられることが無いため、ここで少し取り上げたいと思います。ネットワーク構築能力は、別の言い方をすれば、出会った人々と自分とが置かれた状況を踏まえ、如何にそれぞれのニーズに沿った形で情報を交換しあったり、協力関係を築きあげたりして関係を深めていけるかという、コミュニケーション能力とも言えます。これは仕事を行うあらゆる場面で重要なビジネススキルとも言えますが、国際協力分野においても同様であり、こうして構築した優良なネットワークを通じて、新たなビジネス動向やプロジェクト動向に関する情報、求人情報、イベント情報、ネットワークを通じた人材など、ご自身のキャリアやビジネス展開に関して重要なリソースが入ってきます。特に国際機関において活躍されている人材にはこうした能力に長けた方が多く、ご自身の専門性や希望する仕事を確保し、成果を挙げ、更に大きな仕事が出来る環境にステップアップしていく、ということを実現しています。私自身特にネットワーク構築能力に長けている訳では無いのですが、その重要性を様々な場面で痛感しており、優良なネットワークの構築に務めています。その際に常に意識していることが3つあります。まず1つ目は、非常に当たり前ですが、相手の話しをよく聞くことです。必ずしも自分の仕事と直接関係が無かったり、或は関係があったとしても特段共有することが無かったりしたとしても、話しを聞く中で新しいアイデアが産まれたり、或は自分の業界・仕事に参考になる点、或は接点となりうる点がいろいろ出てきます。その後そうした考えたことやアイデアを共有するのですが、その際に分からないことを率直に質問したり、なるべく相手の土俵に即して話しをしたりし、よりアイデアを膨らませ共感を得られるようにしています。また、それに併せて、相手の方に参考になるような優良情報は何かを考え、出来る限り提供出来るようにしています。そうした情報をお互いに常に提供し合うことによって、その後の信頼あるネットワークが作られて行くのだと思っています。2つ目は、特にセミナー等においては、可能な限り発表する機会を設けたり、或はスピーカーの方々に質問したりすることにより、参加者に自分自身の考えやアイデアを示すようにすることです。こうすることにより、相手は自分が誰なのか、或はどういう考えを持っているのかを理解したり、或はその考えに対する様々な意見を持つようになりますので、その後の情報・意見交換がスムーズに進む場面があると思います。最後は、前提条件とも言えるのですが、自身がこれだと思ったセミナーやイベントには億劫がらずに出かけるようにしています。仕事がたまっていて片付けてしまいたい時や天気が悪い時、気分が乗らない時など、自分に言い訳して行かないという誘惑にかられますが、実際に行ってみるとやはり新たな刺激的な方々にお会いしたり、新たな情報を入手したりすることが多いです。直感は結構正しいと何時も思います。弊社では、本部があるワシントンDCを初め、オフィスのある東京、バルセロナ、マニラにおいて、国際協力に従事する国際機関などの援助機関やコンサル企業、民間企業、NGOなどのプロの方や、関心のある学生や社会人が集う「場」として、様々なイベントを開催しています。その一環として、各オフィスが毎年1回実施している「国際開発ハッピーアワー(International Development Happy Hour)」というイベントがあります。7月下旬に、ワシントンDCにおいて第7回目のハッピーアワーを実施しましたが、述べ2,000人ほどの方々に参加頂きました。今や同イベントはDC最大のネットワーキングイベントと言われています(その時の様子はこちらからご覧頂けます)。東京においても昨年小規模ですが第1回イベントを開催し、述べ150人ほどの方々に参加頂きました。今年も近々更に規模を大きくして開催することを予定しており、昨年以上に楽しい会にしたいと考えています。詳細が決まり次第このブログ等でご案内しますので、是非お楽しみにして下さい!DEVEX日本支店 高橋 宏太郎
JPN
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