転職を考えている方へ、どこでも通用するスキルを身につけましょう

社会的責任戦略は、多国間ビジネスから非営利目的の事業に転身する唯一の道ではない-少なくともプロクター＆ギャンブルでは違う。 世界的に消費財の多くを担う同社では、転身者は会社ブランドを途上国でマーケティングする可能性もある、とP&Gの「子供たちの安全な飲料水」事業の管理者であるグレッグ・オルグッド氏は言った。 グローバル企業は新市場開拓を熱望していることから、途上国は新しい市場としてその重要性を増してきた。国際開発フィールドで活躍してきた人々は、グローバル企業が途上国の潜在的消費者向けニーズを把握するための一助となるかもしれない。これが、P&Gやいくつかの会社が、国際開発分野や非営利の職種で活躍していた人を雇いたがっている理由である。 以前働いていた職場が営利目的か非営利目的かに関わらず、キャリア転身組にとって大きなポイントとなるのはどこででも通用する移行可能なスキルの獲得とそれにふわさしいポジションを見つけだすことである、とオルグッド氏はインタビューの中でデベックスに語り、また企業の社会的責任（CSR）戦略がいかに経済的下落においても会社の収益を押し上げることが出来るかに触れた。 P&Gの「子供たちの安全な飲料水」キャンペーンは、非営利目的で運営されているが、サプライチェーン管理等、ビジネスでは一般的とされる分野の専門家が配置されている。この事業は、PURと呼ばれる製品によって、きれいな飲料水を貧しい地域にもたらしている。オルグッド氏は、この事業を通じてアフリカやその他地域における７０以上の非営利目的団体と提携しているP&Gの主要なCSR事業を開拓した。 CSRや慈善的仕事に関心を持つ人に、何かアドバイスはあるか。また、例えばP&GにおいてCSRキャリアを構築することは出来るか。 私は慈善事業のために働こうと考えたことは無く、現在も慈善事業しているとは考えたことはない。私は、大きな株主利益を会社にもたらす、P&Gの中の非営利目的ビジネスを率いている、と考えている。私は、この小さな非営利目的ビジネスが、その価値を証明することによって、我々のP&G基金・P&Gブランド・従業員たちから奉仕を受けているという見方をしている-現在、我々の会社はそれに応じているのである。我々の過去のCEOたちは、この事業に非常に貢献してきた。だから私は慈善事業に関わっているというよりも、非営利目的ビジネスを運営し、それを率い、社外を含む多種多様の財源から寄付を募っていると考えている。米国国際開発局は我々を支援してくれているし、我々は他の団体にも、基金への寄付によって我々の努力を支援してもらいたいと思う。 私が助言するとしたら、PR、宣伝などのコミュニケーション・研究開発（R&D）・又はマーケティング等、あなたが貢献できる分野でコアとなるスキルで、あなたの強みと結びついているものを身に付け、それらを応用できるようにしておくことだ。それは、非営利目的であっても営利目的であっても、あなたにとって有益なこととなるだろう。 P&GはCSR部署に限定した人材を採用するか。 それはないでしょう。もし誰かが、CSR分野だけで働きたいと言ったら、それは難しいだろう。私なら応用可能な幅広い技術を身に付ける。 私はR&Dの経験を持ち、多くの新製品を送り出してきた。私はこの非営利目的ビジネスを運営するためにこれらのCSRとは関係ない経験から必要なことを学んできたと考えている。仕事の多くは我々の従業員との交流なので、私はコミュニケーションに関する仕事も多くしてきた。これらのスキルを確立させることによって私は現在やっている仕事をやれるようになったのだ。 「子供たちの安全な飲料水」キャンペーンの運営を助けてくれた、私の同僚たちの１人は、製品供給に関するとても豊富な経験を持っていたが、我々の事業の大部分を彼の知識に頼っている。充分な製品をどのように作るか考え出すこと、全ての原材料を工場に届けること-我々は５０ヶ国以上、現在は世界中に進出している。だから、必要なとき、時間通りに、どこへでも届けられる方法を考え出してきた。事業管理や製品供給の豊富な経験が、彼をそこで成功させたのである。 だから、使えるスキルを身に付けることだ。私は人道的団体の仲間たちを見て、彼らが公共部門でも応用できる、コアとなるスキルを持っていることが見て取れる。彼らは開発を理解していて、それはもしかしたら一般的なビジネスとは少し異なっているところかもしれないが、開発への理解は営利目的企業でも非常に重要である。我々は、我々のビジネスを低所得消費者層に広める戦略的関心を持っている。それに我々は過去７年以上･･･我々は低価格製品と、彼らのニーズに特別に沿った製品によって、７年前には届かなかった１０億人の消費者にたどり着いていると信じている。我々の今後のビジネス拡張の大部分は、アメリカやヨーロッパではなく、途上国での拡張となるだろう。 国際開発分野で働いていることは、P&Gのような会社に移行可能なスキルを身につけている素養となると思うか。 もちろんだ。我々の企業としての目的は、世界の消費者の生活を向上させることにある。そして、彼らの生活を我々のために向上させるということは、彼らのニーズに合わせた製品やサービスを開発することを意味する。それを実行するためには、あなたは人々を理解し、世界のある地域で彼らのニーズに合うものが、他の地域でも同じように合うわけではないことを理解しなければならない。 これらのことを理解することは、新製品の開発とマーケティングのために本当に重要なことだ。これは製品のみのことではない。低所得消費者と、特に最低所得消費者のニーズは、多様なアプローチや提携によって満たされなければならない。この提携の部分は真に不可欠で、通常の様なビジネスにはならないだろうが、我々は彼らに届くために多様な方法を設定して彼らのニーズを満たさなければならないからだ。