本日発刊した「グローバル開発ニュース」よりの引用です。———-ジンバブエ−犬のような仕打ちヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は8月12日、南アフリカ地域の指導者たちに対し、ジンバブエにおける政治危機を終結するための努力を台無しにしかねない継続的な暴力行為を止めるように同国政府に対し圧力をかけるべきであると訴えた。ニューヨークに拠点をおく人権団体であるHRWは、「犬のような仕打ち:ジンバブエにおける野党陣営及び同支援者に対する政治的迫害(They Beat Me like a Dog’: Political Persecution of Opposition Activists and Supporters in Zimbabwe)」と題するレポートにおいて、与党であるジンバブエ・アフリカ民族同盟・愛国戦線(ZANU-PF)とその支援者たちが、野党であるMDCの議員や活動家の殺害や迫害、任意逮捕を行っているとしてこれを非難した。同組織は、南部アフリカ開発共同体(SADC)に属する国々に対し、南アフリカで8月16日に行われる同組織のサミットにおいて、ジンバブエにおけるこうした虐待に反対する厳しい姿勢をとるよう迫った。武装したZANU-PFの支援者や政府が支援する退役軍人や若手民兵たちが農村地帯において村民を脅迫し続ける一方、選挙前の数週間に暴力を逃れた数百人のMDCの活動家たちは身を隠したままであると、同レポートが明らかにしている。
同国政府は、3月29日の第1回選挙以来ZANU-PFとその支援者たちにより設置された拷問キャンプや基地を解体する努力をほとんどしていないと、HRWは指摘した。ある70才の女性は、6月20日にZANU-PF支援者たちによると思われる、MDC所属の州会議員である彼女の息子の残忍な殺害現場を目撃し、また、彼女自身もひどい暴行を加えられた。彼女はHRWに対し、「私のような老人を、彼らは私を犬のように、いや、野生動物のように扱い殴り続けました。彼らは私の背中や肋骨を殴りつけました。私の唯一の罪は、自分の息子がMDCの州会議員だったことだけです」と語った。同レポートの詳細は、以下のURLをご参照下さい:http://hrw.org/english/docs/2008/08/12/zimbab19591.htm———-上にもあるように、3月の第1回の大統領選挙においてムガベ現大統領の劣勢が報じられて以来、同大統領の権力維持のための開票時における不正操作、或は野党陣営やその支援者への人権侵害や虐待などは非常に深刻な状況にあると考えられ、規模は違うもののかつてのルワンダにおける部族間抗争の結果としての100万人とも言われる大虐殺を彷彿とさせます。また同時に、現在チャドやコンゴ民主共和国など、一部のアフリカ諸国においても、政府関係者による市民に対する虐待や人権蹂躙がそれほど注目されずに静かに進行しており、大きな開発問題と言える人権問題に対処する方法の難しさ、また問題の根深さを痛感せざるを得ません。Devex日本支店 高橋 宏太郎
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