アジア開発銀行(Asian Development Bank、ADB)が独自の応募様式を有しているからといって、各人の履歴書が目立たせることが不可能なわけではない。同行の履歴書フォーム(personal history form)は効率的な選考という目的を果たしている。同行の人事部長であるHyong-Jong Yu氏は、この履歴書フォームによって、この機関が知るべき応募者の情報について即座に情報が入手可能なことを示した。同時に、それによって応募者たちが選考を進めるために提供すべき情報のみを記載することが出来る。 「通常の履歴書には含まれないが、われわれが欲している特定の情報をこの履歴書フォームは網羅している。」とYu氏はインタビューで述べた。 その情報とは、例えば国籍(ADBはその加盟国である67カ国からしか採用しないため)、転勤への意思、現在の応募者の給与などである。 「我々が選考をする際に不可欠な詳細情報について尋ねている」とYu氏は付け加えた。 ADBは年間 10,000~12,000の応募を受け、約100名ほどしか採用(hires)しない。言うまでもなく、そのプロセスは厳選に厳選を重ねる。どのように履歴書が選考に通過していくのか?Yu氏は職務経験に焦点を当てることが選考のカギとなると述べた。 「多くの応募者は新卒ではない。最終的にはどんな職務を経験してきたか、どんな職歴をその分野で経てきたかが判断材料になる。」と同氏は述べた。 同じようなプロフィールをもつ応募者の集団の場合、出身の教育機関がものを言う。 「排他的な選考とするつもりはないが、トップ校出身であることはプラスになる。」とYu氏は説明した。 もうひとつ、同じ職務経験でも開発関連の職務経験を際立たせることも有利となる。 「もし、カンザス州出身の新卒者でその州から出た事がなければ、おそらくアフリカ、東南アジア、南アメリカといった国に住んだ経験のある人とは対等には考慮できないだろう。」とYu氏は述べた。 「元から開発ビジネスに関心のある人物、もしくは既にそうした経験がある人物を我々は欲している。なぜなら、そこにはその分野を選択したという偏重が既に存在するからである。」と加えた。 応募はオンラインのみADBの履歴書フォームはインターネット上でダウンロードし、電子メールで送付することが可能だ。 ADBがIrecruitと呼ばれるオンラインの応募システムを今年末もしくは2010年始めに導入することによって、このプロセスをよりシンプルに、より効率的にする予定だ。 「よい知らせとしては、我々がこの完全オンライン化をすることによって、応募者はオンライン上でデータを入力し、またその情報が取得されるため、これまでの紙媒体は必要なくなるということである。」とYu氏は述べた。 同氏は多くの機関が数年前からオンライン応募システムを数年前に導入している中、ADBが「後れを」とってきたことを認めた。 「しかし、我々は年間40,000人からの応募者を扱っていたわけではない。」とYu氏は皮肉混じりに言った。「我々は膨大な数ではなかったから、その扱う数を管理することが出来た。しかし、我々がこのシステムを必要とするある一定の水準まで達した。効率性の追求のための導入ではなく、導入によって選考をより迅速にし、応募者によりすばやく返答することが可能となる。」 このオンラインシステムは特に内部の選考プロセスを効率化する。Yu氏は、各担当部署間での情報の共有の方法に影響を及ぼすだろうと説明した。このシステムによって、それらの各部署は面接のスケジュールとそれに続く結果を追跡することが出来る。 「選考はよりシームレス化する。」と同氏は指摘した。 Yu氏の所属する人事部門では応募者に対する最初の評価を行う。通過した書類は担当部署に送られる。この候補者リストの中から、各部署は優秀な候補者を選抜し、ビデオ会議を通して予備面接を行う。この試験に通過した候補者は本部でのより正式な面接へと招かれる。採用全体のプロセスは3~5ヶ月を要することもある。 また、ADBは外部からの採用より先に内部の候補者を検討する。 最初の契約は通常3年の期限付きであり、職務内容や技術に基づいて延長もしくは通常の期限なし雇用へと変更される。試用期間は少なくとも1年間は継続する。 ADBは特に農業、エネルギー、金融、ガバナンス、保健、インフラ、メディア、天然資源、貧困削減、調達、村落開発、社会開発、貿易、運輸、水資源の分野の専門家を多く採用する。 同行はまた、男女平等(gender equality)の促進にも力を入れており、女性の参画を推奨している。2009年3月時点で、女性は同行職員全体の57.5%の割合を占める。 給与と福利厚生 ADBその他の国際機関と比較しても劣らない報酬(compensation)パッケージを提供している。 「我々は給与水準や福利厚生の水準を世界銀行(World Bank)そして欧州復興開発銀行とリンクさせている。」とYu氏は指摘した。 同行には10段階の職級がある。最初の2階級はジュニアプロフェッショナルのポジションである。第3、第4は通常のエントリーレベルのポジションであり、様々な水準の専門的知識が必要とされるが、管理職としての権限は限定される。 第5、第6レベルは上級職および管理職であり、その上位2階級はマネージャーレベルである。最後に、第9、第10レベルは部長、事務局長もしくはより大きな部門の副長である。 当初の給与はそのポジションの責務と、また同様の職務と経験を有するその他の職員との比較に基づいて決定される。専門職員は給与を米ドルで受け取り、職員の自国の政府によって課される税金以外は全て免除される。ローカルスタッフは勤務地の通貨で給与の支払いを受ける。 「ADBでは、エントリーレベル(のポジション)で、(もし)30代から30代後半で10年の職務経験を有していれば、年間の給与のみで100,000米ドルを受け取ることになるだろう。」とYu氏は述べた。 最も低いレベルのヤングプロフェッショナルはおよそ70,000米ドル稼ぐ一方、最上級の事務局長は推計で年間220,000米ドルを受け取ることができる。 Yu氏は各レベルにおいてその給与を決定する最高、最低水準があると指摘した。 「昇進する際に、もしその給与が最高および最低水準の範囲内であれば顕著な昇給は見られない。なぜなら重なる部分が多くあるからである。」とYu氏は述べた。「昇進からは一時金として得られるボーナスがある。もし(レベル)3から4へと昇進する場合には、その昇進によって4%程度の昇給を得ることになるだろう。」 同時に、ADBは給与を補完するものとして、優れた福利・厚生制度を提供する。ADBの職員は転勤に際する支援、住居手当、教育手当、調査手当、扶養手当、帰国手当、各種休暇、医療・健康手当、保健、死亡手当、不可効力な事態からの保護、臨時的な手当ての支給、退職プラン、その他の権利を有する。 フィリピンにある壮大なADBの 本部(headquarters)で勤務することはそれだけですばらしい。この複合施設はオルティガス地区商業センターの中央におけるランドマークであり、同国の金融街であるマカティ市からたったの5キロである。 この本部は銀行、旅行代理店、保険会社、医療・歯科医院、配送サービス、通信サービス、ダイニングルーム、クリーニングサービス、化粧品店、本屋、図書館、コンビニエンスストア、郵便局、ジム、売店、そして税金なしで給油を提供する類を見ないガソリンスタンドなど、実質的には都市の縮図のようだ。 ADBの職員は独自の労働組合、主婦連、コミュニティーファンド、多目的な協同組合を有し、カウンセリング、リーガルサービスも利用可能である。 「我々はここを要塞と呼んでいる。」とYu氏は述べた。「我々は職員を非常によくケアしていると考えている。ただ、職員はそれに慣れてしまって、ここを去るまでどれだけ恵まれているか実感しないのである。」
アジア開発銀行(Asian Development Bank、ADB)が独自の応募様式を有しているからといって、各人の履歴書が目立たせることが不可能なわけではない。同行の履歴書フォーム(personal history form)は効率的な選考という目的を果たしている。同行の人事部長であるHyong-Jong Yu氏は、この履歴書フォームによって、この機関が知るべき応募者の情報について即座に情報が入手可能なことを示した。同時に、それによって応募者たちが選考を進めるために提供すべき情報のみを記載することが出来る。
「通常の履歴書には含まれないが、われわれが欲している特定の情報をこの履歴書フォームは網羅している。」とYu氏はインタビューで述べた。
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Sef Cagoco served as one of Devex's international development correspondent from mid-2008 to mid-2009. Her writing focused on social entrepreneurship and multilateral agencies such as the U.N. and Asian Development Bank. She previously worked as senior reporter for the national daily BusinessWorld and a production journalist for the Financial Times.