グローバリゼーションは、国際基準に基づく競争原理の貫徹を促す一方、富の偏在をもたらした。とりわけ貿易において発展途上国に不公正な関係を強いてきた。このようなアンフェアな関係を是正するため、近年、フェアトレードに注目が集まっている。日本におけるフェアトレードの普及に取り組んでいる北澤肯氏に、これまでの取り組みと今後の抱負について尋ねた。
「妻からは、『家の中ではその話をしないで』と言われるくらい、常にフェアトレードについて考えています。僕にとっては“ノーフェアトレード・ノーライフ”です」
四六時中、フェアトレードについて考えているとの言葉どおり、北澤氏は現在、フェアトレード・リソースセンターの代表を務めるかたわら、フリーランスの立場でフェアトレードにまつわるコンサルティングを行うとともに『フェアトレード映画祭』や『フェアトレードサイクリング』等のイベントを立ち上げるなど、多方面からフェアトレードにかかわっている。